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経費にできる領収書等

経費にできる領収書等

1. はじめに

個人事業や会社の経理をするにあたり、基礎となる資料として領収証が必要なことは今さら説明するまでもないことだと思います。
しかし領収証はあれば良いというものではなく、法律上認められた条件があります。
逆に領収証がなくても経費にできるものはあります。
今回はこちらを説明したいと思います。

2. 経費にできる領収証の範囲

法律では、以下の条件が記載された書類が必要とされています。
(1) 領収証を作成した者の氏名又は名称
(2) 取引のあった年月日
(3) 取引の具体的な内容
(4) 取引の金額
(5)領収証のあて名
従って、領収証をわざわざお店に作成してもらわなくても、たとえばレシートなどで上記の条件がそろっていれば十分に経費処理できる書類として利用できます。

3. 領収証がなかった場合でも経費で落とせるのか?

しかし領収証等の発行が難しい、領収証等をもらい損ねた又は紛失したなど領収証がないケースもよくあります。このような場合は経費にできないのでしょうか?
下記に述べるようなものは、領収証が存在しない又は紛失したとしても経費処理は可能です。
(1) 見積書、納品証、請求書などで取引の存在を説明できる書類がある
(2) ネット通販などであれば、取引内容の確認メール取引画面のプリントアウトを行う
(3) 交通費など領収証の発行が難しいものは、社長個人のスケジュール帳に出張の事実を記載する、パソコン等に乗車履歴を残すなどで支出の事実を補完する書類を準備する
(4) ご祝儀や香典などの支出の場合は受け取った案内状やのし袋の表書き(壱万円など金額の記載あり)のコピーなどがある
(5) 預金口座引き落としやクレジットカードの利用明細に上記2(1)-(4)の記載がある

これらがなかった場合には、添付の出金伝票(100円ショップで売っているようなもので十分)に、上記2(1)-(4)の記載をして取引の事実を説明する必要があります。
出金伝票の書き方については長くなるので別記事にしたいと思います。

4. 経費にできない場合

経費にできる領収証については上記2のとおりですが、
以下のような場合は領収証等があったとしても経費処理は難しいと考えられます。
(1) たとえば摘要欄に品代や商品代と記載されているなど取引の内容がはっきりしないもの
(2) 自分の食事代、家族旅行の費用など私的に利用しているもの
(3) 本人の生活費(水道光熱費、個人の携帯電話代等)と考えられるもの
(4) 白紙の領収証に金額等を自分で記載するなど偽造したもの(場合によっては筆跡鑑定が行われます)
(5)他人からもらった領収証を使用するなど不正が疑われるもの(場合によっては発行先への調査が行われます)

偽造等は経費落ちできないばかりか、刑事罰を受ける可能性があるので絶対やめましょう💀

5. 不正を疑われやすい領収証

領収証を発行してもらったとしても、以下のような領収証は税務調査の際に不正や取引の事実を疑われやすいので注意しましょう。
税務署にバレないと思っている方もいるかもしれませんが、相手もプロなので大抵見抜かれます。
(1)同じ店の領収証がたくさんある(私的利用ではないか疑われます)
(2)経営者の自宅付近の飲食店の領収証((1)と同様です)
(3)領収証の筆跡が経営者含め自社の従業員のものと似ている(税務調査の際に筆跡鑑定が行われます)
(4)飲食費の領収証に参加人数/参加者名の記載がない(私的利用を疑われます)
税務署が疑わしいと感じた場合は、領収証の発行先への調査(反面調査)が行われます。発行先への調査は相手先への迷惑ばかりか自社の信用も失いかねないので、安易な領収証の利用は十分に注意しましょう。

6. 最後に

領収証がないからと言って経費処理をあきらめるのではなく、取引や支払いの事実を説明できる書類があれば経費処理は可能です。
出金伝票の作成は別記事で行いますのでそちらをご参照ください。